こんにちはTOMです。
『転職を考え始めたけど、技術者は実際どんな理由で転職しているの?』
『一般的な理由は聞くけど、現場の生の意見は?』
『転職に踏み切る理由・きっかけは?』
この記事は、こんな悩みを持っている方に向けて書いています。
この記事を読んで、読者が得られること
転職を考え始めたエンジニア・技術者が、みんなの転職理由を知ることで一歩踏み出すことができます
さらにそれを踏まえた転職先を選ぶポイント
この記事を書いている僕は、10年ほど日本の製造業で開発業務を経験した後、
30代で転職して外資系の会社で技術職として働いています。
転職活動では10社以上のエージェントとやりとりをして、情報を集めました。
1.エンジニア・技術者が転職する理由5選
2.転職をおすすめする状況とは
3.転職先選びのチェックポイント
それではそれぞれ見ていってみましょう。
1. エンジニア・技術者が転職する理由5選
こういった疑問は転職を考えている人にとって気になるものです。
今回、この疑問に対して、実際現場で起こっている転職する動機をとりあげました。
- 仕事がルーチン化して、スキル向上が見込めない
- 上司はマネジメントしない、仕事過剰でつぶされる
- 社内向け資料作成ばかりで技術の仕事がない
- 全方位向けの製品開発、戦略がなく将来が不安
- 周りに危機感がない、逃げ切り待ちの社員ばかり
1. 仕事がルーチン化して、スキル向上が見込めない
仕事で自分の成長となるスキル向上・経験がこのままでは見込めない、という場合に転職を考えるケースです。
なぜ転職につながるのか?
仕事上でスキルや経験が積み重なっていかないと、年齢に応じて価値が向上せず、将来的に行き場のない人材になりかねないためです。
エンジニア・技術者にとっては、ルーチン作業でも技術的内容なら繰り返すことで身につくという側面はあるものの、
ある程度慣れた後は、ただの作業化になってしまいますので注意が必要です。
とはいっても、そんなにすべての仕事でどんどん新しいスキル・経験を学ばせてくれないのが事実だ、という意見があるかもしれません。
その通りです、ですのでまずは社内でも自分でスキル・経験を学べるよう働きかけや自分で行動することが必要です。
それでも、そういう経験をさせてくれる機会が見込めない場合に、転職を考えるべきです。
2. 上司はマネジメントしない、仕事過剰でつぶされる
どこの職場でも聞いたことがあるかもしれませんが、こういった意見があります。
『上司がマネジメントしてくれない』
これがもとになり、業務量過多で体を壊したり、家庭とのバランスが取れなくて転職を考えるケースです。
なぜこういったことが起こるのか?
管理職でマネジメントをすべき立場でも、日本の企業の場合、自分が部下の立場と同じレベルでメンバーの一部として働くという意味の「プレイング・マネージャー」が多いです。
その結果、
- 管理職の仕事量が増え、部下の業務マネジメントができず、部下の業務過多で責任感の強い人ほど疲労
これは私自身も現場で体験したことがあり、その人が悪いというより、そういうシステムの会社自身が良くない場合が多いと言えます。
一方で、アメリカの例としてグーグルでは、マネージャーは「プレイング」ですが、一段上のレベルで他のマネージャーとチームを組み、その中でメンバーの一人として働く。
マネージメントというポジションの中での働き方をしています。
元グーグル人事担当が指摘!「昭和型プレイング・マネジャー」のしくじり
3. 社内向け資料作成ばかりで技術の仕事がない
エンジニア、技術者によくある不満
『資料作成、パワポ作成ばかりで技術に触れられない』
これはよく聞く話で「パワポエンジニアリング」などと揶揄されることがあります。
技術的なスキルが身につかないため転職を考えるケースです。
ある程度のポジションになれば、チームをまとめ報告する業務ということで資料作成や上への報告業務が多くなるのは仕方がないこと。
ですが
- 若いうちから資料作成ばかりで、技術的スキルが身につかない
- もっとモノをいじる仕事だと思っていたのに、実際はモノに触れる機会が少ない
- 社内向きの仕事ばかりで、有益な仕事と感じられない
といったギャップや仕事内容に対する不満がうまれ、転職を考えることにつながります。
4. 全方位向けの製品開発、戦略がなく将来が不安
製品戦略への不満から、自社製品の将来性について不安が生まれ転職を考えるケースです。
なぜこのような場合に転職につながってしまうのか?
自社の社員に向けて製品戦略が明確に示せていないためです。
ありがちかもしれませんが、全機能で他社に勝っているのはすばらしいですが、それは裏を返せば突出した特徴がないということです。
向かうべき方向性があいまいでは、社員も自社の製品に面白みがないと感じるとともに、自信が持てず仕事もつまらないと感じてしまいます。
5. 周りに危機感がない、逃げ切り待ちの社員ばかり
これは昔からある日本企業によくあることかもしれません。
集団心理なのか、会社に留まれば安心と皆が考えている状況です。
これを危機的と感じ取り転職を考えるケースがあります。
なぜそうなるのか?
変化を嫌う社員が多い環境では、改善や革新といった変化が起きずらいので新しい機会・学びになる機会も少なくなります。
会社が危機的かどうかより、変化を許容できない、過去踏襲が安心と思っている環境に危機感を抱くという場合で転職を考えることにつながります。
アンケート結果からの傾向は?
実際、リクナビNextで転職するエンジニアにアンケートを取ったものはこちらです。
2. 転職をおすすめする状況とは
上記で転職を考える人の理由について、現場の声から上げました。
では、本当に転職をおすすめするべき状況とは、どんな状況でしょうか。
- 業界が衰退する傾向があること
- 自分の職種がルーチン作業で回る
- 若いうちに磨くべき技術スキルが得られない
- 社内向きの仕事が大半を占める
- 変化を嫌う社風
1. 業界が衰退する傾向があること
業界が伸びない、下降傾向がある場合は転職を考えるべきです。
なぜなら、市場価値はどこに身を置いていたかも重要になるためです。
衰退している業界で働いていた人材と、これから伸びる業界にいた人では、転職の際に、後者の方が欲しい人材と思われるのは明確です。
また、給与水準という観点でも業界を選ぶ必要があります。
同年代でも業界によって年収が全く異なります。
参考情報:https://doda.jp/guide/heikin/gyousyu/
例えばメーカーが他の業界と比較し給与水準が高くなっていますが、特に自動車業界の完成車メーカーの水準は高くなっています。
これは特別に完成車メーカーに勤める人のスキルが高いからというわけではなく、
業界の特徴ですので、どこに身を置くかだけでも年収帯も変わります。
技術者・エンジニアのスキルは、ある程度どこの業界でも通じるものがあると思います。
同じような仕事内容でも業界を選ぶことで年収が全く異なる可能性があるので、着目すべきポイントです。
2. 自分の職種がルーチン作業で回る
自分の職種がだれでもできる仕事である場合、職種を変えることを考えるべきです。
なぜかというと、今後AIによってなくなる職種や、より賃金の安い地域の人に置き換えられる可能性が高くなり、職を失う危険があるためです。
例えば、シミュレーションを構築・回すだけの仕事だった場合、それはシステムの自動化に置き換えられる可能性もあります。
プラスで結果の分析やそこから提案といった貴重なスキルを必要とする仕事である場合は別ですが、作業化している仕事は注意が必要です。
3. 若いうちに磨くべき技術スキルが得られない
若手は技術的・専門的スキルをある程度積む、そのあとでリーダー業務などの経験に価値がでるような業務をするのがおすすめです。
なぜなら、リーダーやマネジメントの立場になったときに現場での技術スキルを持っているかどうかで専門的視点から決定ができるかに影響するためです。
そのため、若手のうちから専門的スキルが得られない環境の場合は、キャリアを考えてみる必要があるかもしれません。
4. 社内向きの仕事が大半を占める
こちらは上でも出てきましたが、社内向けの資料作成に時間の大半がとられる、社内向けの説明が大半な場合です。
なぜかというと、
・エンジニア・技術者としても大切なユーザ視点がなくなってしまうため
誰のための製品開発なのか忘れ、上役の言葉にのみ動かされる状況はマーケット価値がなくなることにつながります。
他の会社への転職を考えた際に価値となるのは、上役の意見を反映した仕事ではなく、マーケットやユーザをターゲットとした仕事であることは明白です。
5. 変化を嫌う社風
会社として変化を許容できない、過去踏襲が基本である場合です。
なぜかというと、変化がないというのは、新しい技術やトレンドを反映しづらく、その技術などに触れる機会をなくしてしまうためです。新しい技術がわからないと、なにより自分の市場価値を落としてしまいます。
また、そのような会社は、現状維持をするリスクに目を向けていないため、将来的に危機的状況に陥る危険性が大いにあります。
これからの時代は変化が次第に早くなっていきます。
その時代に生き残るためには、自分も変化に対して許容し受け入れ学習していく必要があります。
業務の中でそれができない、機会がない職場は、留まるリスクがあることを理解しましょう。
3. 転職先選びのチェックポイント
これまでの転職理由や転職をおすすめする環境という観点を整理して、そこから転職先を選ぶ時のチェックポイントを抽出しました。
- その業界が伸びていること
- 若いうちは専門性のスキルが伸ばせること
- その職種は汎用化・ルーチン化されないこと
- 仕事は外向きであること(社内向きが大半でないこと)
- 仕事の残業時間・ワークライフバランスがとれること
- その会社の製品は独自性があること
- 変化を許容できる、トレンドに乗れる環境があること
これらを選ぶ理由は上記の1,2で解説しました。
また、安心な点として見られがちな
高いほど、継続して勤めている社員が多いということで安定しているという観点で見られます。
ただ、注意すべきなのは、年齢が高い社員が多い=あまり変化を許容したくない・できない傾向がある場合があります。
もちろん会社によりますが、年齢の高い人ほど、自分が退職するまでそれほど時間がないから、いわゆる『逃げ切れる』と思っている場合があります。
そのように思っている社員ほど、転職できるスキル・経験がなく同じ会社に残るしか選択肢が取れない人です。
平均勤続年数が長いということは、社員の新陳代謝が少ないため変化に追従できない傾向があるかもしれないということも念頭に置いてチェックしたほうがいいと考えます。
以上、転職の理由から転職先の選び方について、僕自身の製造業での10年間勤務経験、転職で10社以上のエージェントと話した経験から整理しました。
会社についての詳しい情報は、転職エージェントから情報を集めるのが信憑性が高い方法です。
転職を考えている人も、今はまだ考えていない人も相談することはできますので、一度話をしてみることをおススメします。
転職エージェントについては、こちらの記事を参考にしてください。
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