こんにちはTOMです。
『転職を考えているけど何から始めたらいい?』
『転職すべきなのか、すべきではないのか悩んでいる』
『転職にあたっての注意点ってある?』
この記事は、こんな悩みを持っている方に向けて書いています。
この記事を読んで、読者が得られること
技術者が転職活動をするまえにやっておくべきことは何かが理解できる
この記事を書いている僕は、約10年間日本の大手製造業で勤務した後、転職して外資系の会社でエンジニアとして働いています。転職活動では10社以上のエージェントと話をしており、転職活動に試行錯誤した経験からこの記事を書いています。
目次
1. 技術者・エンジニア向け転職活動の前にやっておくべきこと5選
2. 技術者・エンジニアが転職する理由
3. 転職活動をするときの注意点
それでは、それぞれ見ていってみましょう
1. 技術者・エンジニア向け転職活動の前にやっておくべきこと5選
技術者・エンジニアの皆さんが、転職活動を考え始めたとき、初めにやっておくべきことは次のようなことです。
- これまでの経験の棚おろし
- 自分のスキルの棚卸
- マーケットの調査
- 人生の目的の確認
- 家族との共有
1. これまでの経験の棚おろし
まず一番に重要なのは、これまでの自身がしてきたこと・経験してきたことをリストアップすることです。
これをやる理由としては、
1. 転職レジュメ・面接で聞かれる対策になる
2. 自分が楽しめること、楽しくないことを明確にする
経験の棚おろしをする際には、単純に時系列で列挙するのではなく、以下のような観点を目安にするとよいでしょう
(経験軸)
・ 自主的に動くことで経験したこと
・ リーダーシップを発揮した経験
・ 他者を巻き込み、協力した経験
・ 成功体験
・ 失敗体験+フィードバック
(感情軸)
・ その経験は楽しめたか、もう一度やりたいか
・ その仕事は熱中したか
・ その仕事は長時間続けても苦ではないか
・ 自分では普通にこなせたことが、他者からは評価された仕事か
・ その仕事で苦痛や過度なストレスを感じたか
それぞれの経験での行動および感情がどうだったかを認識することで、自分の好きな仕事だったか得意な仕事であったか、嫌いな仕事だったかを把握することができます。
転職面接の事前準備として役立つだけでなく、自分が何をやりたいのか・やりたくないのかによって、会社選び・ライフプランを考えるのに役立ちます。
2. 自分のスキルの棚卸
1で行ってきた経験をもとにして、自分の培ってきたスキルを明確にします。
下に技術職・エンジニアの人にとってどういったスキル・知見が転職活動であげられるかという例を示してみますので、スキルを棚卸するときの参考にしてみてください。
- 英会話・英語力
技術職にとって英語ができることは十分付加価値でアピール可能 - モデリング、シミュレーション(Matlab/Simulink, Labview, etc)
即戦力になるスキルとして有効、各分野で応用が効く - CAD、図面作成
機械系エンジニアであれば日常業務で使っている方はアピールできます - 数値解析(Matlab, etc)
どの業務にも応用が効くスキルとしてアピール。 - コミュニケーション
顧客対応やチームとして仕事をするときに必須で、関連した実績あればアピール可能 - リーダーシップ
どのような仕事でもあったほうがいいスキル。過去の経験とも合わせてアピールできる。 - そのほか
プレゼンスキル、資料・論文作成、回路設計、試作など
また、このように思っている人もいるかもしれません。
『私はアピールするスキルってないなー』
このような人でも大丈夫です。皆さん、他の人に比べ何かしら得意なことを持っています。自分はあまり頑張ったつもりがない、好きだからやったというだけのことで、他の人から評価されたことはありませんか?それがあなたの得意なことでアピールにつながるかもしれません。
3. マーケットの調査
転職を考えたとき、どういった業界に転職すべきかは非常に重要です。
なぜなら、伸びている業界に身を置くかそうでないかで、今後のキャリアや給料に大きく影響するためです。
伸びている業界での知見は、そのあと転職する機会のときにアドバンテージになります。
同じようなスキルを持っている応募者がいるとして、伸びている業界で活躍していた人と、衰退していっている業界で働いていた人では前者のほうが魅力的に映ると思います。
伸びている業界をチェックする
業界をチェックするには、Web上で調べるということもできますが、自分のスキルにあって伸びている業界ということで転職エージェントに相談してみるとプロ目線で教えてくれると思いますので、有効に活用しましょう。
4.人生の目的の確認
これから先のキャリアを考えるとき、必ず重要視しなければいけないことが、自分の人生をどうしたいか?考えることです。
働くことの前提にもなっているはずですので、人生で達成したいこと・将来的にどうしたいかを明確にするチャンスでもあります。
転職と人生の目的がどのように関わってくるか、例としては
- 将来海外移住したい
→ 英語を使った仕事、海外駐在のチャンスがある仕事 - 仕事より家族との時間を優先したい
→ 在宅や勤務時間がフレキシブルに選べる職種 - 生涯仕事に打ち込みたい、バリバリ仕事したい
→ 成果と評価が一致しやすい仕事 - とにかくお金を稼ぎたい
→ 年収アップが見込める仕事 - 早期にリタイア・セミリタイアしたい
→ 年収が高い、副業と関連しやすい、かつ副業が認められている仕事
5. 家族との共有
実際に転職しようとした場合、その活動が成功するかどうか鍵になるポイントは
『家族と転職する意思が共有できているか』
夫婦間で転職活動について共有できていなかったりすると、
面接まで通ったのに家族内でNGが出てあきらめざるを得なかったりするという場合もあります。
仕事は生活環境・生活スタイルに密接に関わってくるので、家族がいる人は特に早い段階、
できれば始める前から現在の仕事についてどう思っているのか、将来的には家族でどうしたいのかコミュニケーションをとっておくことが重要です。
転職を考えている人が読んでおくべき書籍
>ここで、転職を考える人に読んでみてほしい書籍の紹介をします
以下は過去の僕のツイートです。
会社で働く上で読むべき本
✅転職の思考法
北野唯我さん@yuigak の本
市場価値の考え方、キャリアについてなどストーリー形式でとても読みやすい。キャリア形成全般という意味でも、今はまだ転職を考えていない人にも有効です。
ここから、マーケットバリューについてまとめてみました😃#転職 pic.twitter.com/YaPgCi47J3
— TOM@早期セミリタイアめざす外資エンジニア (@TOM_DrEng) February 12, 2021
会社で働く上で読むべき本
✅転職の思考法
北野唯我さん@yuigak の本
市場価値の考え方、キャリアについてなどストーリー形式でとても読みやすい。キャリア形成全般という意味でも、今はまだ転職を考えていない人にも有効です。
ここから、マーケットバリューについてまとめてみました😃
この本は転職を考えている人も、まだ今は考えていない人にも読んでほしい内容です。ぜひチェックしてみてください。
2.技術者・エンジニアが転職する理由
技術者・エンジニアが転職する動機について
『みんなどういう状況のときに転職することを決めるんだろう』
『一般論はネット上にあるけど、エンジニアにとっては?』
実際の開発現場で働いている僕自身の観点でまとめてみました。
・ 仕事の大半が社内向き
・ 仕事内容がルーチン化(誰でもできる)されてきている
・ 業界全体が下降傾向
・ 身に付けたいスキル向上が見込めない
・ レアな経験が積めない
仕事の大半が社内向き
上司の承認をもらう、評価会といった会議が日本の製造業では非常におおい場合があります。
社内に向けての資料作成や説明業務が仕事の多くを占めるということは、利益を生まない時間割合が高いということになります。
その会社にずっと留まるというなら、会社の処世術としての価値はあるのかもしれません。
ただ、市場価値という観点から見るとお金を生み出さないことに多くの時間がかかるという状況は、キャリア形成には不利になっている可能性があります。
仕事内容がルーチン化
仕事がマニュアル化され、だれでもできるような内容になってきているということは、
より時間給の安いリソースに振り分けられる、もしくは将来自分の時間給がさがる可能性があります。
最近ではAIの活用も進んでいますので、場合によってはAIに代替えされることもあるかもしれません。
ルーチン化された仕事を作業としてこなしていると、自分の市場価値はどんどん下がってしまっていることに注意すべきです。
業界全体が下降傾向
自分のスキル・経験ではどうにもならないところで、身を置いている業界の動向を気にすべきです。
業界が縮小傾向なら、どんなに良いスキルを持っていても価値の低下・年収の低下につながります。
逆に、伸びている業界に身を置けば、自分のスキル向上とともに業界も拡大することで相乗的に市場価値があがります。
極端に言えば、そこそこ頑張っていれば業界の拡大とともに給与も上がっていくこともありえます。
身に付けたいスキル向上が見込めない
その後のキャリア・転職を考えるうえで、価値のあるスキル・知見が得られないのであれば、長く居続ける理由はあまりないかもしれません。
例えば、コアな技術スキル・現場での技術開発スキルを活かせるキャリアを考えているのに資料作りがメインの仕事になっていては、狙ったスキルは習得できません。
技術系で、より現場的な回路設計・機能実装などのスキルを身に付けたいと思って会社に入ったら、
実は、実働はサプライヤ任せでパワーポイント資料作りばかりだったというような話はよく聞きます。
資料作りや仕事のアレンジ・割り振りを行うスキルということで有益ではあるものの、
より手を動かしてものづくりがしたい・現場開発のスキルを身に付けたい人にとってはマッチしていないということになります。
レアな経験が積めない
自身の価値は、スキルおよび経験から成っています。
スタッフレベルの仕事だけではなく、プロジェクトリーダーなど自主的にチームを率いるような仕事など
通常受け身でいると得られない経験は自分の価値を上げるものになります。逆に、いつまでもスタッフレベル、
変化のない業務だけだと、経験を積めないというリスクを取っていることを意識するのがよいです。
これらが、転職を考えるべき理由として説明しましたが、
では、実際に技術者・エンジニアが転職をする理由はどんなものがあげられているのでしょうか?
リクナビNext(Tech総研)の調査によると以下のような理由がアンケート結果で得られています。
- 会社からの評価や給与が上がらなかった
- 会社や業界の将来に不安を感じた
- 休日数、残業、勤務時間に 不満があった
- 会社の人間関係
- そのほか
3. 転職活動をするときの注意点
転職活動をするにあたって注意しておくべき点は以下です
- 転職活動していることは会社の同僚・周囲には言わない
- 転職先が決まるまで、現在の会社は辞めない
- 転職サイトではなく、転職エージェントを使う
- 円満退社を目指す
- 何より重要なのは家族で話し合うこと
・転職活動していることは会社の同僚・周囲には言わない
転職することを積極的に応援・支援する人は同じ会社にはいない、そう思ったほうがいいです。
なぜなら、会社という輪から抜けようとしている人を快く思わない人は少なからずいるためです。
会社の雰囲気によるところが多いですが、日本的な会社であればあるほど、年齢層が高いほど傾向としては、同じ会社内で同族意識が強いです。直接的ではないにしろ、邪魔をしてくる、上層部にリークするような人もいることは年頭においたほうがいいです。
よって、転職活動をスムーズに進めるためには、会社の人に相談するというのは避けるのが無難です。
そもそも、転職をする・しないは最終的に自分で判断するところです。
他人に頼らず、自分の考えで進める意識を持つことが今後の人生のモチベーションにもつながりますので、その練習だと思いましょう。
・転職先が決まるまで、現在の会社は辞めない
会社を辞めることに意識が行ってしまい、まだ転職先が決まっていないのに現在の会社を辞めてしまう人がいます。
これには明確なデメリットがあり、それはこちら
次の会社の内定をもらった時の選択肢が少なくなる
早く次の会社を決めないと、無収入が続くことになるという金銭的なプレッシャーがかかっている状況は、想像以上につらく判断を鈍らせます。
実際は、現在の会社と内定がでた会社で比較して決められるはずだったものが、選択肢もなくなります。
・転職サイトではなく、転職エージェントを使う
転職サイトに登録して自分で進めるのではなく、転職エージェントをうまく使うようにしましょう。
理由としては、転職サイトは求人の良し悪しに関係なく広く情報が集まっています。
ここから自分に合った求人を探し出すのは大変かつ質が高くない求人をつかんでしまう可能性があります。
転職エージェントであれば、相談しつつ、良い求人を提案してくれることがあります。
また、転職エージェントが持つ求人の中には、非公開のためWebサイトには出てこない案件も多くあり、それら良質な案件を紹介してくれることもあります。
・円満退社を目指す
円満退社を目指すのが基本です。理由は
- 職の経験やつながりを次の会社でも期待されて、仕事を任せられることがある
- 人生のキャリアの中で関係性がでてくることもある
転職することを決めたり、転職先が決まると、現在の会社の仕事がおそろかになる人がいるかもしれません。
ですが、同じ業種なら当然、そうでない場合も今後のキャリアで関係性がでてくる可能性があります。
そのため現職は最大限、最後まで頑張って、会社を卒業するようにしましょう。
・何より重要なのは家族で話し合うこと
「転職活動の前にやっておくべきこと」でもありましたが、大事なのでもう一度だします。
家族でキャリアの考え方・方向性を共有しておくことは重要です
内定をもらった後で、夫婦間でもめて内定辞退するという話はよく聞きます
転職して年収が変わる場合は特に、家計の収入になる部分ですので、直接的に家族に影響することを考えると当然心配事に上がってきます。
年収だけでなく、働き方が変わる場合なども家族と過ごす時間に影響しますので、事前に話をしておきましょう。
以上、転職活動する前にやっておくべきこと・注意すべきことをまとめました。
転職を具体的に考えている人も、今は考えていない人も転職活動自体は自分の中の気づきを
与えるものなので、一度やってみることをおすすめします。